G杯予選会…新潟ひょうたん池

暑い暑いと言っても、お盆休みも過ぎて、気付けば日も少しずつ短くなって
きている。
暦の上では立秋を過ぎて秋。
鮮魚売り場には、早々と網に掛かってしまった秋刀魚が並ぶ。


8月25日(土)
午前2時
蒸しかえる空気に包まれる中、埼玉の自宅を静かに出発。
最近、行動をよく共にしている、ゆうちゃんの車でハンドルは自分が持つ。
向かう先は、新潟県
G杯予選会に、参加するためにひょうたん池へと遠征する。


真夜中の関越道はやっぱりガラガラで、節電の為に消灯されてるせいもあり
暗い夜道は静けささえも感じる。


長い長いトンネルを抜けるとそこは米どころ新潟。
県境の山々を駆け抜けると、それはそれは、広大な田園風景がどこまでも、どこ
までも続いていた。


金曜から現地入りしている仲間の情報だと、土曜日は開園が7時。
と、聞いていたのにこれは誤報。実は6時からで、その頃自分達は35㎞も手前で
牛丼を食べていた。
まぁ、この日は前日試釣なので慌てずに向かう。


やはり、完全アウェイの地での決戦だけに、ぶっつけで通る程甘くない。
この釣り場をホームとしている人達と争わなければならないので、試釣は絶対に
必要だった。
色んな無理をしての強行釣行だったが、快く送り出してくれた妻にはホントに
感謝(T^T)
その期待に、何としても応えなければいけない。


事前情報だと、聞く人によって様々だったので、特に釣り方を絞らずに試釣に
入った。
釣り場に着き本番で使用する桟橋に乗る。
試釣組が沢山居て、みなさんの熱意を感じる。


初めての釣り場というものは純粋にワクワクする。
どんな釣りが待っているのか楽しみだ。
先にやっている人達のウキを見ると、かなりの活性がありそう。


先ずはチョーチンウドンセットを試す。
竿は8尺でウキはPCから様子を見る。
短バリで速いリズムでの釣りに持ち込めれば良いかな!と言う感じ。
魚は沢山いて、馴染み込みから強烈な触り。
エサが持たない投も多い。


その代わり食い気のない魚も沢山居て、食い気のある魚をどれだけタナに貯め
られるか!?が肝になりそう。


早く次の釣り方にチェンジしたいが、同じ釣り方を通して、地合の変化を確認し
ときたい。
すると、11時位から少し魚が遠巻きになる印象があった。
ここで、敢えてハリスのアジャストはせずに次に浅ダナを試す。


竿は9尺にし、小ウキ+短バリス+小エサ。
リズムで釣っていく。
が、なかなか狙い通りには行かない。
水面下には沢山魚がみえるが、下へと落ちていくエサを逆立ちして追いかける魚
は少ない。


あれこれと突き詰めていく時間はない。
午後になり、周りの状況を見て回ったり友達と情報交換したりする。


やはり魚の量はエリアによって偏りがあるようだ。
釣座は抽選なので、どのエリアに入るかわからない。


底に頼ることもあるかも。
底のセッティングをする。
いわゆる、ペレ底。
数投で触り力強いアタリで今日一番の良型。
これが続けば…
だが、良型はこの1枚。
御守り代わりにセッティングだけキープ。


次は朝から気になっていたペレ宙。
地元の人は、この釣りを選択することが多いと聞く。


竿16尺
タナ120㎝
ミチイト1号
ウキ『 葉舟・槐・極太パイプトップ 10 』
ハリス 上下0.5号 30ー40㎝
がまかつ角マルチ6号
ペレ道1+細粒0.3+水1.5+浅ダナ1本2+軽麩2
このあと、我目を疑う釣りが待っていた。


開始早々から触りがあり、最初は平均サイズ。
だが、いきなり触りが大きくなる。


フワァン、フワァン、、、ズバッッッ


合わせた瞬間、根掛かりか?と思わせるかのように動かない。
ズズズズズーと重く動き始め、ゴクン、ゴクンと頭を振る。
水面で反転。デカッ!!
デカイ口をパクパクさせながら玉網に収まる。って言うか収まりきれない(^o^;)


デカイのが寄ってきたのだろう。煽りが半端じゃない。餌を持たせるようにする
とカラツン。
引っ掻きも。


ウキは槐の10番なのに強烈な煽りに負けている。
こんな時にハードがあれば…。
きっと、強いペレ宙が成立したはず。
早く買わなきゃ(((^_^;)


ズバッと迷いようがないアタリに良型が続く。
明日はこの釣もある。しかし、16尺までしかないため、規定一杯の18尺を
並ばれたら敵わないだろう。


最後にチョーチン用のウキのバランスを見て前日試釣を終える。


8月26日(日)
目覚めの良い朝だった。
4時に宿を出て、決戦の場へ向かう。


窓を開けると涼しく、空を見上げれば鰯雲が朝焼けに染められていた。
重たそうに頭をもたげる稲穂が風に吹かれると、眼下には金色の海が広がる。
新潟の空気は、早くも秋の優しさをまとっていた。


釣り場は熱気に包まれていた。
全国行きの最後のキップを争うのだから無理もない。


この日、不思議な感覚があった。
開き直りか、とも思われたが、何故か安心感があった。


目に見えない何かに
守られてるような…


運命の座席抽選。大会本部で受付の際に、テーブル上の裏返しに伏せてある
プレートを選ぶ。そのプレートに書かれた数字が釣り座となる。
列に並びながら順番が近づき、プレートの並んだテーブルが見える。
何故か、1枚のプレートに目が止まった。
理由は全く無い。


勘が冴えてる時と言うのは、何となく取った行動が、良い方へと転がる。
希望では試釣した辺り。


で、引いた座席が、前日の一席隣。


身体中のアドレナリンが活性化していくのがわかる。


もう、何の迷いもなくチョーチンウドンセットを選んでいた。
前日のペレ宙も確かに凄かった。
でも、後悔しない為にチョーチンにした。


竿8尺
タナ チョーチン
ミチイト1号
ウキ『 葉舟・創・浅ダナPC 7 』
ハリス 上0.5号 下0.4号 10‐30㎝
針 上、がまかつ改良ヤラズ8号
下、がまかつ角マルチ4号
バラケ
ペレ匠デカ粒0.5+同顆粒0.5+水1.5+鬼武者山盛り1+若武者山盛り1
+ペレ匠ダンゴ1+速攻カッツケ1
食わせはタピオカ


6時30分、3時間の1回戦が始まる。
親指大の大きさに丁寧にバラケを付けて、そっと水面に落とし込む。
当たり前のように沈没。
縦誘いを数回して、トップが頭を出したら打ち返す。
2投目には触りが出て、続く3投目、触りながら馴染み一呼吸置いてチクッ。
1枚目は小さいアタリで黄色いヘラ。
次投、馴染みながらこれまたチクッに合わせて連チャン。
2投挟んでまた連チャン。


全体的に釣れてない。
ただ、自分のいるエリアに入った人は、釣れている。
くじ運に感謝し、増えていく触り、アタリに興奮する。


ハリスを徐々に積めていき、このウキの能力を最大限に使わせてもらう。


0.8㎜のPCトップ+細身なボディーは入りずらいエサを無理なくタナに入れ
パイプに比べて、張りが少ない分、短いハリスの違和感を緩和してくれる。
ウキが立ちトップの馴染みに入ったときに、ヘラの反応がバラケにあれば、
カッ、カッと止めながら入り、馴染みきる前でも、良いアタリが出たり
馴染み切った時にズバッと消える。馴染み切ってアタリが出なければ、縦誘いを
してアタらせる。


そんなイメージを描き、また、そうなるように地合いを構築していく。


バラケはボソ。
元エサを小分けした中に粘り粉材を混ぜて、後は指圧と手水調整のみ。
短時間勝負で複雑な調整は自滅への入口に過ぎない。


ウキが立ち、カッ、カッ、ズバッ。
上バリにもヒットしてくる。
魚の活性が上がっていく。


ウキが魚の濃さに負け気味になる。
『 創PC 7 』→『 創PC 8 』へ変更。
これで、だいぶ釣りやすくなった。


1時間が経過し14枚。
1フラシ10㎏までで、その都度スタッフを呼び検量してもらう。


放したあと、どうなるか?
検量はなるべく周りと合わせた方が被害が少ないかも。


18枚になった時に、右隣の人が計ったので、自分も続いた。


検量1回目 7.4㎏


1回戦残り1時40分。もう1回フラシを満タンにしたい。


やはり、放したあとは少なからず影響があった。
時間帯もあるか、アタらない投もある。
だんだん、馴染みながらのウケがなくなり、バラけに引っ張られるようにウキが
沈没するようになった。


残り50分でセッティングを変える。
ウキを『 創PC 8 』→『 槐・極太パイプトップ 8 』に。
上ハリスを10㎝→8㎝
下ハリスを24㎝→35㎝
バラケを少し軽くする。
粒戦1+とろスイミー0.5+パワーX1+水1.5+セット専用1+GTS 1+段底1


パイプトップでタナにバラケをしっかりとぶら下げ、下ハリスを伸ばして遊びを
持たせる。


冴えてる時は、やることが良い方向へと進む。


太パイプトップに抱えられタナに集中させる。
下ハリスの延長で魚の煽りがウキに現れ易くなる。
若干軽くなったエサが、水中でどれだけの効果が出ているのかわからないが
これらの変更で、ここまで釣れていた魚よりも良型が口を使い始めた。


1回戦残り40分。一気に10枚を追加し、17枚で2回目の検量をする。


検量2回目 8.6㎏


2枚目のフラシは1㎏マイナスされる。
1回戦合計 15㎏


2回戦の釣り座が釣れていないエリアに決まっていたので、少しでも上位に
いたい。


開始直前に1回戦上位の成績か発表された。
15㎏は自分ともう一人いたらしく同率3位とのこと。
5位までが全国大会進出の権利がある。
不思議とプレッシャーはなく、むしろ早く開始してくれ!という勢い(^o^)


11:00
待ちに待った(笑)2回戦が始まる。


竿8尺
タナ、チョーチン
ミチイト、1号
ウキ『 葉舟・槐・極太パイプトップ8 』
ハリス、上0.5号8㎝、下0.4号40㎝
針 上がまかつ改良ヤラズ8号、下角マルチ4号


バラケ
粒戦1+とろスイミー1+パワーX 1+水1.5+セット専用1+GTS 1+段底1
クワセ
タピオカ(太麺)
バランスはクワセを付けて3目半出し。


もう釣り方に全く悩みはない。
自分の今までやって来たことをそのまま通すだけ。
ウキに全神経を集中させる。


PCトップでエサが動いている時にアタらせる釣りと違い、
パイプトップのウキでしっかりタナにバラケをぶら下げる。また、長めのハリス
に張りを持たせることで、アタリを強くはっきり出させる。


開始早々、触りが出た。
5投目にはカラツンがもらえて、この釣り方に確信をもてた。


2回戦目の1枚目は下げ誘いでゲット。
型は良い。
バラケの餌持ちを良くする為に手水+BB フラッシュ。


トップ先端部を残すまで馴染ませ触りがなければ、そっと縦誘い。目盛りで
言うと3目分位か。
そこで煽りが出れば、誘わずに待つ。
ここの『間』が大切で、絶えず誘いを入れてしまうと、せっかくエサを食いに
きてるヘラを遠ざけてしまう。
バラケの残り具合、触りの感じで縦誘いを2〜3回。
パイプトップの利点でアタリはダイナミックに消し込むことが多い。


触りの減少はバラケの開き不足と判断し、元エサを一握り追い足す。


40㎝と少し長めのハリスで入ったが、馴染み込みながらフッ、フッ、と触り
ズバッと入るアタリで空振りが続いた。
バラケに近いところにヘラが居ると判断し、徐々にハリスを積めていくと
25㎝で決まりだした。


でも、頭の中ではこのハリス寸では長続きしないと思っていた。
釣れてくるのは良型がほとんど。と、言うことは働き盛りの中型ヘラが少ないと
言うことだと思った。
短バリで釣れ続くなら願ったり叶ったりだが、だいたい穴が空くもの。


1時間が経過して9枚とまずまず。
短バリで稼げたのは5枚。
ありがたかった。


案の定触りが乏しくなりかけたので、スタンバっていた40㎝に。
すぐにアタリが復活して、迷いが1つ消えた。
カラをもらいながら釣り進むことが大切で、手返しの向上にも繋がる。


15枚になり2回戦1回目の検量をする。
8.4㎏
魚影の薄さは否めないが、それを補うには十分な型だ。


時間帯だろうが、周囲でも竿が立たなくなってきた。
自分のウキもアタリが減ってきた。
ハリスを一気に50㎝に。
張りを持たせることで、針を4号から5号にUP。
しかし、これは針が重かったようで不発。
今度は3号に落とす。
いまいちパッとしないが遠巻きにはいるようだ。触りは多い。
また元の4号にしてみる。


カラツンに合わせて45㎝に。残り時間は僅かなので、このままいく。


バラケを丁寧に付けて、水中での拡散を抑え気味にして、1枚1枚拾っていく。
残り時間が10分を切る。
何となくバラケの近いところにヘラが居ると感じ、ハリスを適当にバスン。


フワッ、フワッ、ズバッと上がりベラをゲット。


2回戦2回目の検量、10枚6.2㎏
2回戦目のトータルがフラシを引いて13.6㎏


これで1回戦の釣果と合わせると、今日1日のトータルが28.6㎏になる。


周りからは通過したんじゃない!?と言われるが、発表を聞くまではわからない。
枠は5席だけ。


道具を担いで駐車場へ行き、仲間とどうだった?などど談笑してると
結果発表前に集計の様子を見ていた人達から祝福の言葉を掛けられた。


やがて、表彰式が始まり、自分は2位で予選通過を果たすことが出来た。
最高に嬉しかった。
この気持ちを維持し、全国大会でも去年の二の舞を踏まないように、自分の
釣りを冷静に発揮したいと思う。


tom



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http://www8.ocn.ne.jp/~herauki1/